ADRとは?

1,「ADR」とは

ADRとは訴訟手続によらない紛争解決方法の事です

「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとって「ADR」です。日本語では、代替的紛争解決手続とか、裁判外紛争解決手続と訳されます。

ADRの種類にはあっせん、調停、仲裁があります

①あっせん、調停
当事者同士での交渉で解決を図る事を目的とし、あっせん人が間に入って当事者同士の話し合いを進めて解決を図るものです。あっせんはあくまで当事者同士の話し合いによった解決を目指す制度で、あっせん人が解決案を提示することもありますが、拘束されるわけではなく拒否することができます。調停の場合に調停人が示した解決案を拒否することができるのと同様です。
②仲裁
事前に当事者同士が仲裁を受けることに同意(仲裁合意)した場合に仲裁人が解決内容を判断をするものです。仲裁判断裁判の判決と同じ効力があり、当事者は拒否することができません。また控訴や上告等の不服申立の制度はなく、仲裁判断がなされた事件について、裁判を起こすことはできなくなります。根拠法は仲裁法です。

ADRの特徴

①手続的に簡便である
厳格な手続法はなく,臨機応変の処理を行うことができる。
②解決までの時間が短い
訴訟手続では第一審で半年~2年程度の時間を要することも少なくなく、控訴審・上告審へと進んだ場合には、さらに時間を要します。他方、ADRでは早期解決が期待できます(目安は3回3ヶ月程度)。
③当事者による自律的解決
話し合いを旨とする手続であるため、当事者の意向を尊重した手続・解決を目指すことが可能です。他方、中立な立場の専門家が仲介するため、法的妥当性も確保されます。
④経済的である
訴訟手続ではコスト面で当事者に大きな負担がかかることが多いですが、ADRではそのような負担(例えば弁護士費用、鑑定費用など)を要することなく解決に至るケースも少なくなありません。このため、少額事件や簡易な事件に限らず、紛争一般について経済的であるといえます。
⑤非公開
ADRでは手続が非公開であるため、争いの内容や存在自体を知られたくない場合には適しています(プライバシーに関する紛争、企業秘密に関する紛争など)。

2,裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR促進法)

 平成13年6月12日付の司法制度改革審議会意見書では、「ADRが、国民にとって裁判と並ぶ魅力的な選択肢となるよう、その拡充、活性化を図っていくべきである」とされました。そして、平成19年4月1日にADR促進法が施行されました。
 本センターは、ADR促進法に基づき、法務大臣の認証を得た認証紛争解決機関です。ADR促進法の認証制度に関する詳細は、法務省の「かいけつサポート」をご覧ください。